(早池峰山 1,917m)
新年、明けましておめでとうございます。
今年も「山担 星野のひとりごと」をよろしくお願い申し上げます。
新年最初のご紹介は、2013年7月、岩手の名峰・早池峰山への、夜行1泊2日の山旅です。
早池峰山は”花の名山”と呼ばれるにふさわしく、ハヤチネウスユキソウ(天然記念物)で有名です。
ハヤチネウスユキソウはヨーロッパ(スイス)に咲くエーデルワイスの仲間です。
(この花が咲いているのを観たかったので、今回の山旅も7月上旬に計画しました!)
早池峰山は民族学者の柳田國男が編集した「遠野物語」や、宮沢賢治の愛した山としても有名で、
登山前からますます興味がわいてきます。
1日目。
東京を深夜の高速バスにて出発し、早朝に岩手の新花巻駅に到着しました。
市街バスにて終点の河原坊まで向かいます。そこからシャトルバスに乗り河原坊登山口で下車。
いよいよ登山開始です。
ブナやアオモリトドマツの樹林帯へ入ると、まもなく水音が足下から聞こえてきました。
岳川の飛石を渡り、先に進んでいきます。
この辺では、オニシモツケやセンジュガンピの白い花をみることが出来ます。
登山道はコメガモリ沢に沿って続いています。見上げると正面に早池峰山が霧の中にぼやっと浮かび上がり、全容を見せてくれました。
登山口から2時間程で、七合目の頭垢離に到着しました。
頭垢離は眺めもよく、最後の水場となるので、ここで大休止となります。
おいしくつめたい水でのどを潤おした後は、次の休憩地点の目印である、打石と呼ばれる巨石に向かいます。
打石には30分程登ると到着します。
コメガモリの沢を離れるとコースは勾配が増し、岩石が目立つようになっていきます。
周辺にはチングルマ、ミヤマキンバイ、ハヤチネウスユキソウなどの高山植物が咲くお花畑があちこちに現れます。
周囲は植生保護のロープが張られていました。
高山植物を盗掘する悪い人もいるので、監視員の姿もみられます。
高山植物を楽しみながらしばらく小休止した後、再び出発です。
山頂までの登りはあとわずかですが、岩がゴロゴロの急な登りなので、まだまだ気を緩められません。
スリップにも十分注意しながら登りました。
ようやく山頂に到着すると、早池峰神社が祭ってありました。(早池峰山は信仰の山でもあります。)
山頂には非難小屋もあるので、安心です。
山頂で北上高地の山波を十分に楽しんだ後に遅い昼食を済ませ、下山口の小田越へと向います。
山頂からは約2時間の下りとなります。
途中、巨岩が露出した蛇紋岩の巨岩帯を通過した先には、鉄梯子のあるクサリ場が現れます。
転落に注意しながら、およそ10mの大岩を下ります。
山頂から50分程で到着する、下山の中間地点の五合目御金蔵で、小休止となります。
周辺では高山植物が多く目を楽しませてくれました。
休憩後はのんびりと巨岩コースを下り、1時間程で小田越に無事に到着しました。
小田越の近くにある「岳」と云う集落の周辺には、数軒の民宿があります。
その日はそのうちの1軒を宿泊先に選び、1日目を終えました。
民宿の名前は忘れてしましましたが(申し訳ありません・・・)1泊5,000円とリーズナブルな料金で、アットホームな雰囲気がとても良かったです。
2日目。
民宿前のバス停よりバスに乗車し、花巻駅へ向かいます。
車窓からは農村風景が広がり、心がなごみます。
途中でお年寄りの方が数名乗り降りをしましたが、皆さん知りあいらしく、バス中での会話がとても楽しそうでした。
花巻駅に到着してからは、市内散策をしたりしてお昼頃まで過ごしました。
バスで移動し訪ねた、宮沢賢治記念館では、賢治の足跡を知ることができました。
早池峰山の登山後には、賢治の愛したふるさとを訪ねてみるのもお勧めです。
記念館を訪ねた後は、新花巻駅へ向かい、新幹線で上野駅へと戻りました。
《コース》
■全行程時間:約5時間50分
河原の坊登山口→頭垢離→打石→コメガモリ沢→早池峰山山頂→五合目御金蔵→小田越下山口
《お勧めガイド本》
■岩手日報社「早池峰山」1,200円+税
●登山について、お気軽にご相談ください。「おすすめの登山ルートは?」「初めて山に登るならどこにいけばいい?」など、登山(アウトドア)に関する疑問がございましたら、書泉グランデ5階アウトドアフロアまでお越しください。山担当・星野が、ご相談にのらせていただきます。 |