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2014.09.30

書泉グランデ3階担当・小林利之の喜劇コラム 最終回 「ククレージーだよ奇想天外」

「クレージーだよ奇想天外」

クレージーキャッツはコミックバンドと紹介されることも多々ありますが、個々が一流の“ジャズメン”であり笑いのできる“ジャズメン”といえます。
中でも谷啓さんのトロンボーンはジャズ雑誌「スイングジャーナル」(現在は休刊)の人気投票で何度もベスト10に入るほどの実力者です。

クレージーの音楽ギャグは谷さん中心に練られていました。
谷さんは幼いころから笑いにも興味があり、人にいたずらを仕掛けたりするのが好きだったそうです。

ただ人並み以上に照れ屋の性格で「ご飯は手で覆って隠すように食べる」
「キャバレーで初めて演奏したとき、恥ずかしいからサングラスをしていた」(逆に一番目立ってしまったようです)など、芸人仲間からは常に「面白い人」と証言があがるほどだそうです。

そんな谷さんの芸風の売りは、オシの強いハナさん、豪快な笑いで元気一杯の植木さんとは対照に、気弱で、いつも甲高い声で「助けてくれ~」と言って困っている可笑しさでした。

東宝クレージー映画は30本ほどありますが、1本を除き、あとは全て植木さん主演のものでした。
その例外の1本が、この谷啓さん主演の本作「クレージーだよ奇想天外」です。
クレージー映画は、ほとんど古澤憲吾監督、坪島孝監督の2人で撮られましたが、
植木さんの明るいキャラクターを古澤監督が引き出したように、谷さんの可笑しさを引き出したのは坪島監督でした。坪島作品の中で徐々に谷さんの可笑しさが確立され、谷さんは植木さんと2枚看板の主演役者になりました。

「クレージーだよ奇想天外」は昭和41年制作、この作品以降も東宝、東映で10本の谷さん主演映画が作られています。(昭和41年以前、谷さんは東映映画「図々しい奴」で主演しています。)

さて、前置きが長くなりましたが「クレージーだよ奇想天外」のあらすじをご紹介しましょう。

この話の主人公は、「遊星α」という宇宙の国に住んでいる宇宙人です。
「遊星α」には、地球で戦争が起こると、必ずミサイルやらがとんできて、落ち着いて生活が出来ません。
そこで、地球に行って戦争をやめさせてこいとの任命を受けた「ミステイク7」という宇宙人の役を、谷さんが演じています。

地球人に乗り移り行動を開始しますが、地球のことがわからないために様々な珍騒動を巻き起こします。
宇宙人ということで、超能力が使えるのですが、超能力を使うときのポーズが谷さんのギャグ「ガチョーン」を彷彿とさせるもので、とても可笑しいです。
その他にも谷さんのギャグが豊富に出てきて笑いがたえませんが、地球の子どもたちとの交流を描いていたり、メルヘン的要素がかなり入った作品です。
ラストシーンはクレージー映画らしからぬ繊細な雰囲気。ちょっと泣けますよ。

また、内田裕也さんがチンピラの役で出てきますが、下痢で駆けずり回るギャグなども披露しています。
若い時の風貌も、一見の価値ありですよ。

他のクレージー映画と比べてパワフルすぎない作風なので、ちょっと緩い作品が受ける現代では、もっと再認識されてもいい作品なのであります。
喜劇をあまり見ない若い方にも、是非楽しんでいただきたい作品です。

最後に、急なご挨拶となりますが、「昭和の爆笑喜劇DVDマガジン」の発売に合わせて
喜劇作品の紹介をお届けしてきたこのコラムも、今回で終了となります。
短い間でしたが、ありがとうございました。


《コラムで紹介した商品》
東宝 昭和の爆笑喜劇DVDマガジン
No.28
『クレージーだよ奇想天外』

1966年公開
発売:2014年5月20日

価格:1514円+税
発売:講談社

シリーズで唯一の谷啓主演作。坪島孝監督の最高傑作と評価される、
社会風刺を織り込んだハートフルなファンタジーコメディ。

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喜劇映画に魅了されてから30数年、ハナ肇とクレージーキャッツを人生の師と仰ぐ
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