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2014.06.01

書泉グランデ3階担当・小林利之の喜劇コラム 第16回 「クレージーの殴りこみ清水港」

「クレージーの殴りこみ清水港」
今回ご紹介するのは、「クレージーの殴りこみ清水港」です。
この映画が公開されたのは昭和45年。大阪万博の年になります。
TVではコント55号とドリフターズが第1線で活躍していました。
特に、同じ渡辺プロダクションの後輩であるドリフターズは、
TV、舞台、映画、レコードと、どこでも大活躍でした。
加藤茶や荒井注らが舞台を駆け回っている姿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ドリフターズは、ブロマイドの売上も、この年のタレント部門6位になるほどの人気でした。
後年では子供を中心とした人気のイメージがありますが、当時はさらに幅広い層から注目されていました。

クレージーとドリフが共演する機会もありました。
クレージー映画は本作以降も「だまされて貰います」「日本一のワルノリ男」「日本一のショック男」と続きますが、
この3本は主演の植木等に人気の加藤茶(ドリフからは単独出演)を絡ませたコンビ映画になっています。
3本とも未だに映像化されていないので、ファンの間ではDVD待望論で沸き返っているんですよ。
特に「だまされて貰います」は、最近新文芸坐で見直してみてもギャグが冴えわたっていて、自分の中での評価も改めて上がりました。

ドリフターズがグループとしての活動の幅を広めていく一方、
もともと全盛期の頃から個人活動も多かったクレージーキャッツは、
この頃になるとグループとしての活動が控えめになり、更に個人での活動が増えていきます。

「クレージーの殴りこみ清水港」は、
昭和36年に松竹の「クレージーの花嫁と7人の仲間」という映画で初めてグループ主演し、
初めてタイトルに「クレージーの」と付いて以来、
タイトルに「クレージー」と付く最後の作品になりました。(悲しいです・・・)

また、メンバーの1人である石橋エータローが、
健康上の理由と、料理人としての道を目指すためこの年限りで退団となり、
7人揃っての映画はこれが最終作になります。(悲しいです・・・)
約10年にわたり喜劇界を引っ張ってきたクレージーキャッツですが、
この年、ひとつの転機を迎えたと言えるでしょう。

「殴り込み清水港」は、この3年前に公開された「無責任清水港」の続編にあたります。
追分三五郎(植木等)と森の石松(谷啓)を中心に次郎長一家が描かれていて、
掛け合いも楽しく、みなさん、のびのびと演じています。
誰もが知っているハナ肇のギャグ「あっと驚くタメゴロー」が聞けるのもうれしいですね。

全盛期の頃は内容よりパワーで押し切っていた感がありますが、
「クレージーの殴りこみ清水港」を含め、今回ご紹介した後期の作品は、
ストーリーも面白くメンバーの掛け合いもひときわ磨きがかかって、傑作ぞろいです。
クレージーが脂ののった”ホンモノの芸人”になってきた、と感じられる作品を、是非おたのしみください。


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喜劇映画に魅了されてから30数年、ハナ肇とクレージーキャッツを人生の師と仰ぐ
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