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2014.05.03

書泉グランデ3階担当・小林利之の喜劇コラム 第13回 「クレージー作戦・先手必勝」

「クレージー作戦・先手必勝」

今回ご紹介するのは、
クレージー7人が活躍する「クレージー作戦シリーズ」の第1弾「クレージー作戦・先手必勝」です。
特に、出演者である八波むと志について、触れたいと思います。

「クレージー作戦・先手必勝」は人情ものを多く撮ってきた、久松静児監督唯一のクレージー映画です。
クレージー人気がどんどん上昇していた最中の昭和38年に公開されました。
久松監督は、この頃公開されていた東宝の喜劇「駅前シリーズ」の初期作品ほとんどを撮った監督です。
「駅前シリーズ」は下町や地方を舞台にした、森繁、フランキー、伴淳主演のトリオ映画。
クレージー映画特有のハチャメチャな感じというより、松竹の下町喜劇のような、落ち着いた印象があります。
今回ご紹介する「クレージー作戦・先手必勝」も、久松監督の作風が活きた、
クレージーの普段みることのできない新鮮な一面を楽しめる作品です。

物語は会社からクビを言い渡されただらしないサラリーマン、上田ヒトシ(植木等)が、
街中でおきた喧嘩から「よろずまとめや」を思いつき、口八丁、手八丁、会社を大きくしていく話です。
上田のもとに集まってくるのがクレージーの6人。
物語の前半では、この6人が次々を上田の元に集まってくる様がテンポよく描かれています。
夫婦喧嘩から商店街のもめごと、立ち退き問題など次々と解決していきますが最後は落とし穴が…。

この物語の後半に登場する煎餅屋の倅を演じるのが、八波むと志です。
「八波むと志」という芸名は九九算の八×八=六十四をもじったものです。
ちょっとアクの強いコワモテのイメージで、するどいツッコミが得意のコメディアンです。
由利徹、南利明と「脱線トリオ」を結成していて、クレージーより前にTVの人気者になりました。
(残念ながら脱線トリオの映像は今ではほとんど見ることができません・・・。)

トリオ以外でも個人活動が多かった中で、舞台で共演した三木のり平との絡みはほんとに秀逸、
これぞ芸というものがあります。
八波むと志と三木のり平は、フランキー堺主演の映画「雲の上団五郎一座」でも共演しています。
(こちらの映像は今でも見ることができます!)
私もこのコンビの凄さは小林信彦さんの著書をはじめ色々と読んでいましたが、初見したときは圧倒されました。具体的に面白さを文章で表現することは難しいですが、
芸能史に間違いなく残さなければいけないものだと思います。
このコンビについては、現在講談社より発売中の滝大作さん著「笑いの伝道書」に詳しく書かれています。
興味のある方は是非お読みください。

八波むと志は、昭和39年1月4日、これからという時に若くして交通事故で亡くなりました。
亡くなった年の渡辺プロ新年パーティーで、ふざけてお経をあげてみんなをびっくりさせた矢先の死となってしまいました。
年齢を重ねてからの三木のり平やクレージーとの絡みを見ることができなかったのは、
すごく残念に思いますが、最後まで彼らしかったと言えるのかもしれません。

《コラムで紹介した商品》
◆『クレージー作戦・先手必勝』
価格:1,580円(税込)
発売:講談社

◆『笑いの伝道書』
価格:1,580円(税込)
著者:滝 大作
発売:講談社

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喜劇映画に魅了されてから30数年、ハナ肇とクレージーキャッツを人生の師と仰ぐ
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