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2014.04.01

書泉グランデ3階担当・小林利之の喜劇コラム 第11回 「大冒険」

「大冒険」

「よくぞやってくれました!」
と、つい口に出したくなるような素晴らしい名作「大冒険」をご紹介します。
「大冒険」はクレージーキャッツの結成十周年記念映画の冠にふさわしい、アクション特撮巨編!
監督・古澤憲吾に加え、特技監督(特撮監督)として、あの円谷英二が招かれています。

植木等扮する植松唯人は週刊誌のトップ記者。かつては体操部で活躍した運動神経抜群のサラリーマンです!
その隣に住んでいるのが発明大好きの谷井(谷啓)と妹の悦子(団令子)。植松はこの悦子に恋しています。

物語は、植松が国際的偽札偽造団の秘密を記事で暴露したことから展開していきます。
植松は、自分を始末しようとする偽札偽造団に追い回されることに・・・。
この事件を捜査しているのが、花井部長刑事(ハナ肇)、乾刑事(犬塚弘)、市橋刑事(石橋エータロー)です。
市橋刑事を演じる石橋エータローは、「大冒険」ではいつも以上に頻繁にボケをかまして存在感を出しています。
櫻井センリ、安田伸は今回出番が少ないです。せっかくの十周年記念なので
7人の揃っての活躍が見たかったですね。

ニセ札偽造団から植松が追い回されるシーンでは、植松役の植木が走る! 飛ぶ! ぶら下がる!
元体操部員という役柄を活かし、これでもかと動きまわります。
古澤監督のパワーを強烈に感じられるシーンです。
植木はこのシーンで、車の上を飛び越えたり、空中バク転したり、と、
スーパーマン的な動きまでしてしまいます。
ビルから突き落とされそうになったり、鉄橋にぶらさがったり
車の屋根から振り落とされそうになったりと大変な目にも合いますが、
クレージー映画らしく運よく全て助かります。

この飛び回るシーンを演じた植木には、こんな逸話があります。
後年、植木等は「なんぼなんでも無責任男が空を飛ぶようになっちゃおしまいですよ。
こんな男はどこかにいそうだと思ってみてもらうのがいいんです。」と語っているそうです。
本人的には悩みながら演じていたと思われますが、「大冒険」の植木等の体を張ったアクションは、見ている方からは爽快感抜群です。

さて、話を戻しましょう。
クライマックスで起こる大爆発のシーンはまさに円谷の真骨頂です。
建物が爆発を起こし破壊されていく様は、まるでゴジラ映画を観ているような感覚になります。
当時の東宝のドル箱シリーズ(人気シリーズ)である、<クレージー映画>と<ゴジラ映画>の共演ともいえるでしょう。
ラストのとあるシーンには、クレージーにゆかりのある人物が出演しています。
渡辺プロダクションの社長・渡辺晋です。
クレージーは渡辺プロ発足時からの所属タレントですので、
十周年のお祝いということでの出演でしょう。
最後の最後はクレージーキャッツが本人役で登場し、歌うという、
当時の映画ではよくあるパターンで締めくくりになります。
クレージーは、実際の公演で舞台に立つ時と同じ、白のタキシード姿で登場します。
今観ても物凄くかっこいいです。
「大冒険」はクレージーのかっこよさを再認識できる映画でもあります。

ちなみに、クレージー映画に限らず、当時の映画には「うっかり」なシーンがよくあります。
「大冒険」の、偽造団に誘拐された悦子を谷井と植松が追いかける場面から、2つ紹介します。

・誘拐された悦子(団令子)を取り戻すため向かった、神戸のホテルメリケンのシーン。
神戸にないはずのあの有名ホテル「AKASAKA PRINCE」の看板が!

・東京駅付近に3人が戻ってきた時のシーン。
「森脇金融」という会社のビルの屋上からの風景はそれらしいですが、
ビルの外に出ると、東京駅にないはずの代々木のスポーツセンターが現れます。

是非、このようなシーンも楽しみながらご覧下さい。


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喜劇映画に魅了されてから30数年、ハナ肇とクレージーキャッツを人生の師と仰ぐ
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