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2014.03.03

書泉グランデ3階担当・小林利之の喜劇コラム 第8回 「クレージー大作戦」

「クレージー大作戦」

クレージーキャッツは昭和30年に結成され(結成当時のグループ名は「キューバンキャッツ」)、
何度かメンバーの入れ替わりを経て、お馴染みの7人が揃ったのは昭和36年です。
ちょうどこの年から、クレージーキャッツは大活躍をはじめます。
レギュラーTV番組「シャボン玉ホリデー」の放送開始、レコード「こりゃシャクだった/スーダラ節」の発売、
クレージーキャッツが主演をつとめる映画が松竹で撮られるなど、クレージー時代の幕開けとなりました。
当時はTV、舞台、映画、地方公演とクレージーを見ない日はないほどの人気でした。

今回ご紹介の「クレージー大作戦」はクレージーキャッツが頂点に上り詰め、安定期に入ってちょうど脂がのった、昭和41年の作品です。
7人それぞれの見せ場もあり、お得意の演奏ギャグシーンもふんだんに盛り込まれています。
特に演奏シーンのオチは格別! オチは全て桜井センリが担っています。
桜井センリはグループの中でも一番小柄のピアニストです。
メンバーの犬塚 弘が「クレージー第4の男」と呼ばれていますが、
桜井センリはそれに次ぐ「第5の男」といってもいいでしょう。
これまでの東宝クレージー映画の中ではチョイ役が多かったため、桜井ファンには嬉しいところですね。
この作品以降出番が増えていきました。

余談ですが、クレージー映画の配役は大体3パターンに決まっています。①植木の主演、②植木、ハナ、谷が主演格、他の4人は端役、③7人全員活躍(中心は植木)のパターンに分けられます。
配役にも注目してみると、面白いですよ。
(今回ご紹介している「クレージー大作戦」は③の全員活躍パターンになります。)

監督は「てなもんや大騒動」の回でもご紹介した古沢憲吾です。
古澤監督らしく、冒頭から、銀座の街を植木が勢いよく「たるんどるぞ!」と怒鳴りながら歌います。
その後宝石強盗に入るハチャメチャさは、一気に作品に引き込まれてしまいます。

植木は悪者から悪銭をかっさらうのを信条とした大泥棒役。
谷啓扮する金庫破りの天才が刑務所にいることを知り、手を組もうとわざと事件を起こしたわけです。
収容された刑務所には他のクレージーのメンバーが囚人としているというわけ。
このあとハナ肇が演じる看守を巻き込んで、脱走をくわだてる抱腹絶倒の話が始まります。
特に、悪者たちから悪銭をかっさらう道路工事を装っただまし討ちは
この映画の見せ場です。観るとスカッとしますよ。(これは是非本編をご覧ください。)

「クレージー大作戦」では特にリーダーのハナ肇が面白く、
まじめな人間が騒動に巻き込まれ混乱する様を、とてもいい味で演じています。

ハナ肇はいわずとしれたクレージーのリーダー。
東宝では花形の植木が主演のため、脇に回る形になっていますが、
松竹では山田洋次監督の初期喜劇作品に8本主演、
「馬鹿が戦車でやってくる」や「なつかしい風来坊」といった名作を残しました。
演じる役はほとんどが風来坊で荒々しいが気はいい男の役どころで、後の寅さんへの流れを作りました。
植木の「カッカッカッ」という高笑いに対し、ハナは「ヘッヘッヘッ」というカエルの鳴き声のような笑い方で
爆笑を誘います。

この映画はクレージー映画未体験の方に是非お勧めします。
自己紹介する場面があったり本来のバンドマンの姿があったりクレージーの持ち味である元気一杯の明るさが味わえます。


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No.20
クレージー大作戦』

1966年公開
発売:2013年12月28日

価格:1,590円(税込)
発売:講談社

“世界中のギャングが盗んだ悪銭をクレージー7人が強奪する。
日本版「黄金の七人」を狙ったサスペンスアクション喜劇。

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